鈍色

鈍色の空

鈍色の街

鈍色の心


北の果てのその街はいつも冴えず

鬱々とした雲が影を落とす

永い永い冬に高い空から雪が舞い落ちれば

それは呆れる程に降り積もり

はじまりなんてもう見えない

さよならだけが似合う街


鈍色の空

鈍色の街

鈍色の心


塀に囲まれたその家はひっそりと身を潜め

淡々と日々が過ぎゆく

遠い遠い春を小さな窓から待ち焦がれても

それは淡い幻想の彼方

未来なんてもう見えない

神様だけが見える場所


鈍色の空

鈍色の街

鈍色の心


雪に埋もれた小さな部屋で

Stevie Wonderが「For Once in My Life」とずっとずっと歌い続ける



※架空バンド『徒然なるまま』楽曲の為の歌詞